当選客から好感度ダウン?「サービス」だから気を付けるべきこと

少し前、帰宅すると小ぶりな段ボールが届いていました。夫宛てのその荷物「なんか懸賞に当たったみたいなんだけどさぁ」と全然嬉しくなさそうな様子。

某保険会社の「キャンペーン当選おめでとうございます」のお手紙と共に入っていたのは…。会社のキャラクター・社名がデカデカと描かれたオリジナルグッズ。しかもスープジャーやキャラクター型手洗いボトルといったちょっと主張の強いアイテムでした。

「い、いらない……」

失礼ながら、超ダサい。せめて除菌ウェットティッシュ系の消耗品やタオルなら割り切って使ったかもしれません。

品物が同じでも市販品なら、オフハウスなりメルカリなりで売ったかもしれません。

でも今回ははっきり言って、販促品の残り物処分感ありあり、捨てるにもどうしたらいいのこれーという残念を通り越して迷惑賞品でした(失礼ながら)。

そう、本来好感度がアップしてファンになってもらえるはずの懸賞で「アンチ」が発生してしまった瞬間です。
貰った側なら「残念」のひとことですが、もしこれがあなたの会社のキャンペーンだったらどうでしょうか。

無料なら喜ばれる は大間違い。必要なのは顧客目線の想像力

「無料でなにかもらえたら、ラッキーって思うでしょ」そう思ったのかもしれません。会社のキャラクターに愛着がありすぎて「うちのこは誰が貰っても嬉しい」と思ったのかもしれません。

この懸賞の企画で足りなかったのは「貰った相手の反応」を想像する力。

本来人に何かあげるのは、とても難しいもの。万人が等しく喜ぶものなんて、正直現金か金券くらいでしょう。

世界的に人気のキャラクターだって、ファンもいれば興味がない方もいます。そして、興味がない人にとってそのキャラクターグッズは、キャラクターがあるために価値のないものになってしまいます。

今回の懸賞は、賞品選択型ではなく、事前に賞品の提示もないふわっとした企画でした。そこに予想を超えて濃いグッズが届いたために、拒否反応が出てしまったというわけです。
では、キャラクターグッズは悪なのでしょうか。

問題はキャラクターグッズだったことではない

ここで勘違いしないでいただきたいのは、キャラクターグッズが悪いという話ではありません。

今回我が家から大ブーイングをくらったこの商品も、事前に画像を提示して懸賞をしたらちゃんと「欲しい」と思う方が応募して、当選したらきっと喜んでくれたはず。

そこまで上手くいかなくても「なんでもいいからスープジャーが欲しかった」人だって喜んだと思います。

問題は大きく2つ。「当選後の顧客の反応予想を都合よく想定したこと」「万人受けではない賞品をクローズド懸賞で出してしまったこと」。簡単にまとめると「懸賞することが優先で企画に顧客目線がなかった」ということですね。

サービスは喜んでもらってこそサービス

無料・有料に限らず、サービスはお客様が喜んでくれて初めてサービスとして成立します。

サービス【service】 の解説
  [名](スル)

1 人のために力を尽くすこと。奉仕。「休日は家族に―する」

2 商売で、客をもてなすこと。また、顧客のためになされる種々の奉仕。「―のよい店」「アフター―」

3 商売で、値引きしたり、おまけをつけたりすること。「買ってくだされば―しますよ」

4 運輸・通信・商業など、物質的財貨を生産する過程以外で機能する労働。用役。役務。  
《引用元:デジタル大辞泉》

まずは相手ありき。

「無料」で「してあげている」という気持ちから、相手への配慮が消えてしまっては何のためのサービスでしょう。

一番は、相手に喜んで欲しい。
もしストライクを外したとしても、相手に負担がないもの・迷惑にならないものを。

それがサービスの基本ですよね。

良いこと思いついた!と嬉しくなって突き進んでしまうことは往々にしてあります。
私も私生活でも「これ子どもにしてあげたら喜ぶだろうなー!」→別に盛り上がらない。なんてことはよくあること。

独りよがりにならないよう、第三者や当人にも意見を聞きながら進めていきたいものですね。

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